2026年現在も競馬ファンの記憶に深く刻まれている名馬、ワンアンドオンリー(One and Only)。その最大の功績といえば、日本競馬の歴史において史上初となる「二桁着順デビューからの東京優駿(日本ダービー)制覇」を成し遂げたことでしょう。新馬戦の苦杯から世代の頂点へと駆け上がり、そして種牡馬として新たな血を繋ぐまでの道のりは、まさに波乱万丈のドラマに満ちています。
本記事では、公式記録や信頼できる報道データを基に、ラジオNIKKEI杯2歳ステークスや神戸新聞杯の勝利を含む軌跡、血統背景、そして種牡馬としての現在地までを解説します。
ワンアンドオンリーのプロフィールと基本スペック

ワンアンドオンリーは2011年2月23日に誕生した日本の競走馬であり、種牡馬です。父に名種牡馬ハーツクライ、母ヴァルドアジェ(母の父タイキシャトル)という血統背景を持ち、デビュー前からその良質な血統構成に高い期待が寄せられていました。
馬名の意味は「唯一無二」。その名の通り、他のどの馬にも真似できない独自のキャリアを歩むことになります。栗東トレーニングセンターの名門厩舎に所属し、デビュー当時から陣営もその素質を高く評価していましたが、若駒特有の気性の難しさや幼さを抱えていました。
| 項目 | 詳細 | 公式発表・実績データ |
|---|---|---|
| 生年月日 | 2011年2月23日 | サラブレッド競走馬として誕生 |
| 父 / 母 | ハーツクライ / ヴァルドアジェ | 母の父は名スプリンターのタイキシャトル |
| 主な勝ち鞍 | 東京優駿(日本ダービー)、神戸新聞杯、ラジオNIKKEI杯2歳S | JRA重賞3勝を含むダート・芝での堅実な歩み |
| 特筆すべき記録 | 史上初の二桁着順デビューからのダービー制覇 | 新馬戦10着から頂点へ登り詰めた稀有な実績 |
苦難のデビュー戦から始まった波乱万丈のキャリア
多くの名馬がデビュー戦を勝利で飾る中、ワンアンドオンリーの物語は決して順風満帆ではありませんでした。公式記録によると、彼の競走馬としての第一歩は新馬戦での二桁着順(10着)という厳しい現実からスタートしました。
現代の競馬において、デビュー戦で大敗した馬が数ヶ月後にクラシックの舞台で主役を張ることは極めて異例です。しかし、陣営の立て直しと本馬の潜在能力の開花により、レースを重ねるごとにパフォーマンスは着実に向上していきました。敗戦の悔しさを糧に成長を遂げる姿は、のちの世代やファンに大きな感動を与える原動力となりました。
重賞連勝と世代トップへの飛躍:ラジオNIKKEI杯2歳Sから神戸新聞杯まで
デビュー戦の挫折を乗り越えたワンアンドオンリーは、2歳冬の段階でその才能を大きく開花させます。2013年のラジオNIKKEI杯2歳ステークスでは、のちのトップクラスのライバルたちを退けて重賞初制覇を成し遂げました。この勝利により、クラシック戦線の有力候補として一躍その名を知らしめることになります。
さらに3歳を迎えた2014年、前哨戦である神戸新聞杯をも制覇。鋭い末脚を武器に、関西圏の主要トライアルを堂々と勝ち上がり、世代の頂点を決する大舞台へと万全の態勢で駒を進めました。
史上初!二桁着順から掴み取った日本ダービー(東京優駿)の栄光
2014年の第81回東京優駿(日本ダービー)は、ワンアンドオンリーの競走馬人生における最大のハイライトとなりました。デビュー戦での10着という苦い敗北を経験した馬が、日本中の競馬関係者の夢舞台であるダービーの頂点に立つのは、JRAの歴史上初めての快挙でした。
レースでは、鞍上の巧みな誘導と本馬の勝負根性が完璧に噛み合い、直線で鋭い末脚を爆発させて見事に優勝。スタンドの大歓声の中、泥臭く這い上がってきた「唯一無二」のドラマが完結しました。この勝利は、一度の挫折で夢を諦めないことの価値を証明し、多くの競馬ファンの心に深く刻まれています。
現役引退と種牡馬としての現在地:父ハーツクライの血を継ぐ者
長きにわたる現役生活を終えたワンアンドオンリーは、競走馬としての役目を経て種牡馬入りを果たしました。偉大な父ハーツクライの血統を次世代へ継承する重要な役割を担っています。
種牡馬としての現在地において、産駒たちは父譲りの勝負根性や成長力を受け継ぎ、各地のレースで奮闘しています。自身が「二桁着順からの逆転劇」という類まれな経験を持つだけに、その血を引く産駒たちもまた、底力や逆境に強い特徴を備えていると生産者やファンの間で高く評価されています。
【ワンアンドオンリー】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:ワンアンドオンリーの最大の快挙は何ですか?
A1:JRAの歴史上初となる「二桁着順(10着)デビューからの日本ダービー(東京優駿)制覇」を成し遂げたことです。
Q2:主な勝ちは日本ダービー以外にどんなレースがありますか?
A2:2013年のラジオNIKKEI杯2歳ステークスや、2014年の神戸新聞杯などの重賞レースを制しています。
Q3:血統的な特徴や種牡馬としての動向はどうなっていますか?
A3:父に名種牡馬ハーツクライ、母の父にタイキシャトルを持つ良血であり、引退後は種牡馬として自身の血を後世に伝える活動を行っています。
ワンアンドオンリーの足跡は、単なる一つの名馬の成績表に留まりません。新馬戦での大敗という誰もが絶望しかねない挫折からスタートし、試行錯誤と陣営の努力を経て世代の頂点に登り詰めたプロセスは、スポーツの枠を超えたドラマそのものです。
2026年現在も、その血統は種牡馬として産駒に受け継がれ、新たな物語を紡ぎ出しています。一歩一歩着実に壁を乗り越えてきた「唯一無二」の軌跡は、これからも長く日本の競馬史に語り継がれていくでしょう。