海外渡航の必須アイテムであるパスポート。なかでも有効期間が10年の「10年用パスポート」は、大人(18歳以上)を対象に広く利用されており、更新の手間が少ないことから多くの方が選択しています。しかし、「実際にトータルでいくらかかるのか」「手数料の内訳や、収入印紙と都道府県証紙の違いは何なのか」といった疑問を持つ方は少なくありません。
本記事では、2026年現在の最新情報に基づき、10年用パスポートの申請にかかる費用の全貌、全国一律の料金体系、収入印紙や都道府県収入証紙の購入方法、そして申請に必要な書類や手続きのポイントまでを網羅的に解説します。損をしないための注意点もあわせて確認していきましょう。
パスポート10年用の費用はいくらかかる?全国一律の料金体系と内訳

パスポートの申請を検討する際、最も気になるのが「結局いくら現金を用意すればよいのか」という点です。旅券法に基づく手数料は、国の歳入となる部分と、窓口を運営する都道府県の歳入となる部分に分かれています。
10年用パスポート(有効期間10年)の法定手数料は、日本全国どこで申請しても一律同額となっています。地域によって金額が異なることはありませんので、地方自治体の窓口であっても東京などの大都市圏であっても同じ予算で準備が可能です。
【徹底比較】10年用と5年用パスポートの費用・条件の比較
パスポートには10年用と5年用(18歳未満は5年用の身分)が存在します。ここでは、それぞれの費用や対象者を分かりやすく比較表にまとめました。
| 項目 | 10年用パスポート | 5年用パスポート(18歳以上) | 5年用パスポート(12歳未満) |
|---|---|---|---|
| 対象年齢 | 18歳以上 | 12歳以上(18歳未満も含む) | 12歳未満(未就学児など含む) |
| 合計手数料 | 16,000円 | 11,000円 | 6,000円 |
| 国手数料の内訳 | 14,000円 | 9,000円 | 4,000円 |
| 都道府県手数料の内訳 | 2,000円 | 2,000円 | 2,000円 |
| 更新頻度 | 10年に1回 | 5年に1回 | 5年に1回 |
上記の通り、10年用パスポートは5年用(18歳以上)と比較して5,000円高くなりますが、更新のスパンが倍になるため、長期的なコストパフォーマンスや写真撮影・窓口へ出向く手間の削減を考慮すると、大人の場合は10年用を選ぶメリットが大きいと言えます。
手数料の支払い方法:収入印紙と都道府県収入証紙の仕組み
パスポート窓口での手数料の支払いにおいて、最大の注意点は「現金やクレジットカードをそのまま窓口のレジで支払うわけではない」という点です(※一部自治体やオンライン申請におけるキャッシュレス決済導入の動きを除き、従来の多くの窓口では金券類による納付が主流です)。
10年用パスポートの16,000円の内訳に対応するため、申請者は以下の2種類を別々に購入して納付書等に貼り付ける必要があります。
- 国への手数料(14,000円):「収入印紙」を購入して納付します。収入印紙は主に郵便局や一部のコンビニエンスストア、あるいはパスポートセンター内の販売窓口で購入できます。
- 都道府県への手数料(2,000円):「都道府県収入証紙」を購入して納付します。こちらは都道府県の出納機関やパスポート発給窓口周辺の指定売店、特定の金融機関などで購入するものであり、都道府県ごとにデザインや購入場所が異なります。
近年では、マイナポータルを通じたオンライン申請の普及や、一部自治体での窓口キャッシュレス決済の導入が進んでいますが、お住まいの地域によって対応状況が異なるため、事前に必ず都道府県のパスポート申請公式ホームページを確認が必要です。
申請に必要な書類と事前の準備物
費用だけでなく、申請手続きを滞りなく進めるためには必要書類の不備を防ぐことが不可欠です。10年用パスポートの新規発給および切替発給(更新)における主な必要書類は以下の通りです。
- 一般旅券発給申請書:1通。窓口や市区町村の戸籍・住民登録窓口で入手できるほか、外務省のホームページからダウンロードして印刷することも可能です。
- 戸籍謄本(全部事項証明書):1通。新規発給の場合や、氏名・本籍地の都道府県などに変更がある切替発給の場合に必要です。なお、直近で戸籍の内容に変更がない場合の切替発給では、原則として戸籍謄本の提出が省略できるケースもあります。
- パスポート用写真:1枚。規格が非常に厳格に定められており、縁なしで縦45ミリメートル×横35ミリメートル、頭部のサイズや表情(無帽・無表情・正面向きなど)の基準を満たした、過去6か月以内に撮影されたものが必要です。
- 本人確認書類:マイナンバーカード、運転免許証、パスポート(失効後3年以内など)といった、官公庁が発行した顔写真付きの身分証明書1点(または健康保険証や年金手帳などの組み合わせ2点)。
- 現在お持ちのパスポート:切替発給(有効期限の残りが1未満になった場合や、査証欄の余白がなくなった場合)の必須アイテムです。古いパスポートは失効処理されて手元に戻ってくるか、回収されます。
窓口での申請から受取までの流れと注意点
書類と手数料の準備ができたら、住民登録をしている、または居所申請が認められている都道府県のパスポート窓口へ赴きます。代理人による提出が認められている書類もありますが、申請書の一部分(署名欄など)は本人直筆が必須であるため注意が必要です。
申請から受取までの期間は、通常はおおむね土日祝日を除いて1週間から2週間程度かかります。年末年始やゴールデンウィークの前後、あるいは新年度の時期は窓口が混雑し、通常よりも日数を要することがあるため、海外渡航の予定が決まっている場合は余裕を持ったスケジュールで動くことが鉄則です。
【パスポート 10 年費用】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:10年用パスポートの費用は、クレジットカードや電子マネーで支払えますか?
A1:自治体の窓口やオンライン申請システムの導入状況によって異なります。一部の自治体の窓口やマイナポータルを通じたオンライン決済ではキャッシュレスに対応している場合がありますが、従来の窓口では現金で収入印紙や都道府県証紙を購入するケースがまだ多く見られます。事前に利用予定の窓口の案内をご確認ください。
Q2:10年用パスポートの途中で苗字や本籍地の都道府県が変わった場合、手数料は再度かかりますか?
A3:婚姻などにより氏名や本籍地の都道府県が変わった場合、残りの有効期間をそのまま引き継ぐ「記載事項変更旅券」を申請するか、新しい10年・5年用を新たに発給する「切替発給」を選択できます。記載事項変更の手数料は通常一律6,000円ですが、新しくパスポートを作り直す場合は再度全額(10年用なら16,000円)が必要となります。
Q3:申請を取り下げた場合、支払った手数料(収入印紙や都道府県証紙)は返金されますか?
A3:パスポートの申請を受理した後に個人的な理由で取り下げを行った場合、原則として納付済みの国への手数料(収入印紙)および都道府県への手数料は返還されません。申請内容に誤りや迷いがないか、提出前にしっかり確認することが大切です。
10年用パスポートの費用は全国一律で合計16,000円(国14,000円+都道府県2,000円)となっており、どこで申請しても金額面の不平等はありません。しかし、収入印紙と都道府県収入証紙という特殊な納付方法の把握や、戸籍謄本の準備、厳格な規格に適合した写真の用意など、事前のリサーチと準備が手戻りを防ぐ最大のカギとなります。
18歳以上の方であれば、5年用よりもトータルのコスパや更新回数を抑えられるメリットが大きい10年用パスポート。自身の有効期限や予定している渡航計画を確認し、最新の自治体情報を参照しながら余裕を持った手続きを進めていきましょう。