国民的時代劇として長く愛され続けてきた『水戸黄門』において、ご老公の右腕として印籠のシーンや豪快な立ち回りで物語を引き締めてきたのが、助さん(佐々木助三郎)と並ぶもう一人の主役、格さん(渥美格之進)です。歴代の格さんを演じた名優たちは、それぞれ異なる個性を持ち、シリーズごとの作品のトーンや魅力を形作ってきました。
本記事では、初代から現在に至るまで格さんを演じてきた歴代キャストを順に追いながら、それぞれの担当シリーズ、演技の特徴、そして作品における存在感をわかりやすく紐解いていきます。
『水戸黄門』の格さん(渥美格之進)とは?キャラクターの変遷と役割

水戸黄門一行の旅において、助さんが比較的社交的で明るいキャラクターとして描かれることが多いのに対し、格さん(渥美格之進)は「堅物」「真面目」「学者肌」というイメージが強く定着しています。厳格な武士道精神を持ち、時には融通が利かないほど真面目な性格である一方、いざという時の豪快な殺陣や、物語のクライマックスで見せる「この紋所が目に入らぬか!」の直前までの緊迫感あるやり取りは、視聴者の心を掴む大きな見どころとなっています。
歴代の俳優陣は、この「真面目で硬派、かつ芯の通った強さ」という基本軸を守りつつ、それぞれの持つ人間味やアクションスタイルを吹き込むことで、独自の格さん像を作り上げてきました。
歴代格さん(渥美格之進)キャスト一覧と担当シリーズ
それでは、『水戸黄門』の歴史を彩ってきた歴代の格さんキャストを、順を追って見ていきます。テレビシリーズを中心に、主要な配役を整理します。
| 代数 | 俳優名 | 担当シリーズ・主な放送期間 | 主な特徴・印象 |
|---|---|---|---|
| 初代 | 横内正 | 第1部〜第3部(1969年〜1972年)ほか | 知的で凛とした気品があり、初代助さん役の杉良太郎らとともに番組の礎を築いた。 |
| 2代目 | 大和田伸也 | 第4部〜第13部(1973年〜1983年) | 歴代でも長期にわたって出演し、若々しさと熱血感を併せ持つ親しみやすい格さんを好演。 |
| 3代目 | 伊吹吾郎 | 第14部〜第28部(1984年〜2000年) | 圧倒的な体格と男臭い渋みを放ち、テレビシリーズの黄金期を長年支えた。「ザ・格さん」の代名詞的存在。 |
| 4代目 | 山田純大 | 第29部〜第31部(2001年〜2003年) | リニューアルされた新シリーズで、スマートでキレのある現代的なアクションと誠実さを披露。 |
| 5代目 | 合田雅吏 | 第32部〜第43部(2003年〜2011年) | パナソニックドラマシアター期を含め、長年レギュラーを務め、コミカルさと硬派さを絶妙に両立。 |
| 6代目 | 的場浩司 | BS-TBS版(2017年、2019年) | 現代的なシャープさと独自の存在感を持ち、新たな時代に向けた水戸黄門の世界観を引き締めた。 |
初代・横内正から大和田伸也へ:番組の礎を築いた初期の格さん
記念すべき第1部から第3部まで初代格さんを務めた横内正は、知的でノーブルな雰囲気をまとった渥美格之進像を提示しました。初代水戸光圀を演じた東野英治郎、初代助さんの杉良太郎らとともに、重厚で緊張感のあるドラマのトーンを作り上げました。
その後を引き継いだ第2代の大和田伸也は、若さと爽やかさを前面に出しつつ、武士としての誇りと熱い正義感を表現しました。大和田版の格さんは親しみやすさもあり、視聴者に「頼れる旅の相棒」として深く浸透していきました。
黄金期を支えた伊吹吾郎:圧倒的な存在感と安心感
第14部から第28部という圧倒的な長きにわたって格さんを演じ続けたのが伊吹吾郎です。第2代助さんの里見浩太朗とのコンビ(いわゆる「W里見・伊吹」など黄金期コンビ)は、日本のテレビ時代劇の歴史に残る鉄壁の組み合わせとなりました。
伊吹演じる格さんは、見事な体躯から繰り出されるダイナミックな殺陣と、画面から伝わる圧倒的な安心感が最大の魅力です。厳格でありながらもどこか温かみを感じさせる人柄は、幅広い世代から絶大な支持を集めました。
2000年代以降の継承:山田純大・合田雅吏・的場浩司の挑戦
2000年代に入り、番組がリニューアルを迎えると、格さんのキャラクターも時代の変化に合わせてアップデートされました。
第29部から登場した第4代の山田純大は、引き締まったルックスとキレのあるアクションでフレッシュな風を吹き込みました。続く第5代の合田雅吏は、長年のシリーズを通じて真面目さの中にユーモアや人間味を光らせ、安定した演技力で視聴者を魅了しました。
加えて、BS-TBS版で格さんを演じた的場浩司は、硬派な持ち味と鋭い眼光を活かし、現代の視聴者にも通じるスタイリッシュで頼もしい渥美格之進像を見事に体現しました。
【水戸黄門歴代格さん】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:歴代の格さんの中で最も出演期間が長かったのは誰ですか?
A1:第14部から第28部まで出演した、第3代の伊吹吾郎さんです。約17年間にわたって格さんを演じ、番組の黄金期を支えました。
Q2:格さんの決め台詞や見どころといえば何ですか?
A2:悪事が暴かれたクライマックスにおいて、助さんとともに悪人たちを圧倒し、印籠を出す直前の緊迫した立ち回りが最大のハイライトです。また、学問や武芸に秀でた堅物キャラクターならではの真面目なやり取りも魅力です。
Q3:最新のシリーズで格さんを演じたのは誰ですか?
A3:BS-TBS版(2017年および2019年放送)において、的場浩司さんが第6代の格さん(渥美格之進)を演じています。
『水戸黄門』における歴代の格さん(渥美格之進)は、単なる主役の付き人ではなく、作品全体のテイストや時代ごとの視聴者ニーズを映し出す鏡のような存在でした。
初代の気品ある佇まいから、黄金期を支えた圧倒的な安定感、そして現代的なシャープさへとバトンが渡されていく中で、「正義を貫き、弱きを助ける」という本質は一貫して守られてきました。各キャストが築き上げてきた歴史を知ることで、名作時代劇をより一層深く、多角的に楽しむことができるでしょう。